あなたの知らないおいしい山梨 その③ お米
2009年10月26日
パワースポットでもあるというみずがき山。美しい山です。
山梨県北杜市須玉町の北端に位置する増富地域は、昔から山梨と長野を結ぶ交通の重要地点として栄えていました。
ラジウム温泉で有名な増富温泉は、信玄の隠し湯として知られています。
春には山菜が、秋は紅葉や山の恵みを楽しめる増富は、自然豊かな土地でもあります。
岩肌が美しいみずがき山のふもとに広がる増富地域の標高は約1000m。
雪解け水は豊富にあるけど、お米を作るには寒すぎました。
それでも、その水をため池にして温めて、斜面に棚田を開墾し、長年お米を作ってきました。
日本のあちこち、標高が高く平地が少ない中山間地には、同じような棚田があります。
田毎の月、棚田百選など、昨今この資源を守っていこうとさまざまな活動が行われています。
でもちょっと考えてみてください。
本来棚田は傾斜地を少しでも有効活用しようとした先人の知恵。
少しでも多く米を作ろうとした執念の結晶でもあります。
あの小さな一枚のたんぼ一つひとつに、開墾した農民の思いがこもっているのです。
日本人が米づくりをいかに大切に考えていたか、どれだけ情熱を燃やしていたか。
棚田を見るたび、そんなことを感じてしまいます。
さて、現在の日本では、米づくりは大規模化すればするほど効率がよく、できるだけ手間をかけずに米ができるしくみが作られています。
平たい田んぼで大きな機械を使って一気に作業をすすめれば、面積あたりの売上が多少低くてもなんとかなるもの。
減反や米価格の低迷などを経て、米農家はそうせざるを得なかったと言ってもいいかもしれません。
そんななか、中山間地の小さな面積で小規模の米づくりをすることがいかに大変か。
大規模ならば田植えも稲刈りも一気に機械でできるところ、傾斜地で小さな面積では、すべて手作業になります。
農民が若ければ問題のない作業でも、年をとるととてもやりきれません。
その結果、かつては田毎に美しい月を映し出していた田んぼが、日本全国で耕作放棄地に変わりつつあるのです。
この増富地域の田んぼを復活させよう。
そしてお米を作ろう。
そんな取組が始まりました。
『都市と農山村が、お互いに元気になる社会』をめざし、CSR活動の一環として三菱地所グループとえがおつなげてが取り組んでいる「空と土プロジェクト」。
自然体験や農作業等の交流を通じて、互いの課題を認識し、都市と農山村がともに支えあう持続可能な社会の実現にむけて、さまざまな活動を行っています。
昨年の秋、「空と土プロジェクト」で増富・御門地区の小さな棚田を4枚開墾しました。
直径30cmにもなるススキの根を掘り返し、お田植えをし夏には草を取り、昔の人たちがしたようにこつこつと手作業を繰り返し、この秋お米を収穫しました。
向こう側の田んぼはまだ草ぼうぼう。昔はこの斜面全部が棚田だったのです。
久しく水が張られたことのなかった、再生された小さな棚田。
急傾斜の条件の悪い土地にあるその4枚には、昔と同じように田毎の月が美しく映っていました。
みんなで作った、一粒ひとつぶが大切なお米。
日本の自然、稲作のこと、田んぼのこと。
いろんなことを考える素材でもあるお米です。
11月4日のオープニングパーティーで、このお米を食べていただこうと思っています。
食べることで、ぜひ私たちの仲間になってください。
そして、まだ耕す人のいない、日本のどこかにたくさんある荒れ果てている棚田に、思いをはせてみてください。
えがおマルシェからお知らせ
11月4日(水)~15日(日)、東京丸の内の新丸ビル7F 蒸し料理のお店「musmus(ムスムス)」にて、「山梨の実り完熟フェア」を開催します。
11月4日 18:30~ 山梨フェアオープニングパーティー 開催!
5000円(食べ放題・飲み放題)
ぜひおいしいものを食べにいらしてくださいね!