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あなたの知らないおいしい山梨 その③ お米

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パワースポットでもあるというみずがき山。美しい山です。

山梨県北杜市須玉町の北端に位置する増富地域は、昔から山梨と長野を結ぶ交通の重要地点として栄えていました。
ラジウム温泉で有名な増富温泉は、信玄の隠し湯として知られています。
春には山菜が、秋は紅葉や山の恵みを楽しめる増富は、自然豊かな土地でもあります。

岩肌が美しいみずがき山のふもとに広がる増富地域の標高は約1000m。
雪解け水は豊富にあるけど、お米を作るには寒すぎました。
それでも、その水をため池にして温めて、斜面に棚田を開墾し、長年お米を作ってきました。

日本のあちこち、標高が高く平地が少ない中山間地には、同じような棚田があります。
田毎の月、棚田百選など、昨今この資源を守っていこうとさまざまな活動が行われています。

でもちょっと考えてみてください。

本来棚田は傾斜地を少しでも有効活用しようとした先人の知恵。
少しでも多く米を作ろうとした執念の結晶でもあります。
あの小さな一枚のたんぼ一つひとつに、開墾した農民の思いがこもっているのです。
日本人が米づくりをいかに大切に考えていたか、どれだけ情熱を燃やしていたか。

棚田を見るたび、そんなことを感じてしまいます。

さて、現在の日本では、米づくりは大規模化すればするほど効率がよく、できるだけ手間をかけずに米ができるしくみが作られています。

平たい田んぼで大きな機械を使って一気に作業をすすめれば、面積あたりの売上が多少低くてもなんとかなるもの。
減反や米価格の低迷などを経て、米農家はそうせざるを得なかったと言ってもいいかもしれません。

そんななか、中山間地の小さな面積で小規模の米づくりをすることがいかに大変か。

大規模ならば田植えも稲刈りも一気に機械でできるところ、傾斜地で小さな面積では、すべて手作業になります。
農民が若ければ問題のない作業でも、年をとるととてもやりきれません。
その結果、かつては田毎に美しい月を映し出していた田んぼが、日本全国で耕作放棄地に変わりつつあるのです。

この増富地域の田んぼを復活させよう。
そしてお米を作ろう。
そんな取組が始まりました。

『都市と農山村が、お互いに元気になる社会』をめざし、CSR活動の一環として三菱地所グループとえがおつなげてが取り組んでいる「空と土プロジェクト」。
自然体験や農作業等の交流を通じて、互いの課題を認識し、都市と農山村がともに支えあう持続可能な社会の実現にむけて、さまざまな活動を行っています。

昨年の秋、「空と土プロジェクト」で増富・御門地区の小さな棚田を4枚開墾しました。
直径30cmにもなるススキの根を掘り返し、お田植えをし夏には草を取り、昔の人たちがしたようにこつこつと手作業を繰り返し、この秋お米を収穫しました。

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向こう側の田んぼはまだ草ぼうぼう。昔はこの斜面全部が棚田だったのです。

久しく水が張られたことのなかった、再生された小さな棚田。
急傾斜の条件の悪い土地にあるその4枚には、昔と同じように田毎の月が美しく映っていました。

みんなで作った、一粒ひとつぶが大切なお米。
日本の自然、稲作のこと、田んぼのこと。
いろんなことを考える素材でもあるお米です。

11月4日のオープニングパーティーで、このお米を食べていただこうと思っています。
食べることで、ぜひ私たちの仲間になってください。
そして、まだ耕す人のいない、日本のどこかにたくさんある荒れ果てている棚田に、思いをはせてみてください。


えがおマルシェからお知らせ

11月4日(水)~15日(日)、東京丸の内の新丸ビル7F 蒸し料理のお店「musmus(ムスムス)」にて、「山梨の実り完熟フェア」を開催します。

11月4日 18:30~ 山梨フェアオープニングパーティー 開催!
5000円(食べ放題・飲み放題)
ぜひおいしいものを食べにいらしてくださいね!

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あなたの知らないおいしい山梨 その② ワイン

甲州というぶどうをご存じですか?
最近はスーパーであまり見かけなくなったこのぶどうは、日本原産の、しかも山梨県勝沼生まれのぶどうと言われています。

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ぶどうと言えば巨峰や種なしデラウェア、最近ではピオーネやロザリオビアンコなどの大粒の甘い品種が主流です。

どこと言って特徴のない地味な姿、上品な甘さはあとを引くけど、巨峰のようにわかりやすい味ではない甲州。
どちらかと言えば「通好み」のぶどうかもしれません。
そのせいか、生食用ぶどうとしては、すっかり影が薄くなってしまいました。

甲州は、江戸時代にはすでに勝沼で栽培されていたと言います。

そもそもぶどうの棚栽培は、甲州の栽培方法がベースにあるそうですから驚きです。
上手に剪定(果樹類の枝を整枝すること)しないと樹が暴れる、実がならないなど、
甲州はまるでじゃじゃ馬娘のようなぶどう。

安定した栽培ができるようになるまでに、ずいぶん時間がかかったようです。

切りすぎると樹が暴れるのは、もともとの樹勢が強く旺盛なため。
雨の多い日本では、棚栽培・長梢剪定という剪定方法で栽培されてきました。
現在では短梢剪定でうまく栽培できないか等の研究もされているようです。

じゃじゃ馬娘をうまく御することができるかどうか、今後の課題でもあります。

さて、このぶどう、昔から醸造用ぶどうとしても親しまれてきました。
「ぶどう酒」という名がぴったりなその味。
山梨県ではよく飲まれていましたが、他地域ではそれほど知られていたわけではありません。

そもそも日本では国産ワインの評価はあまり高くなく、国産ぶどうで仕込んだワインに輸入ワインをミックスし、味を調えて販売しているワイナリーもあるようです。

しかし、しかし。
そんな日本のワインのイメージを払拭したのが、甲州を原料にして作られた「甲州ワイン」でした。

とくに香りもなく甘さもそれほどではない甲州...それがワインになると一転して輝く個性となりました。

さっぱりとした飲み口、そして上品な香り。
控え目ながら自己主張もきちんとする、すっきりとしたワインができあがりました。
まるで、じゃじゃ馬娘が、楚々としたたおやかなお嬢様になったようです。

こってりした肉料理やにおいの強いチーズなどの西洋の料理ではなく、
繊細な味付けが身上の日本のごはんにぴったり合うワイン、それが甲州ワインです。

今ではコンクールで金賞を取るほどのワインに成長し、ますます注目を浴びている甲州ワイン。
今回のフェアでは、地元勝沼のワイナリー4社からそれぞれ自慢のワインを選びました。
ぶどうが栽培される土地によって、また土壌によって、ワインの味が違うのも新鮮な驚きです。

日本のぶどうで醸した日本のワイン、山梨県の郷土料理と合わせて楽しんでください。

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えがおマルシェからお知らせ

11月4日(水)~15日(日)、東京丸の内の新丸ビル7F 蒸し料理のお店「musmus(ムスムス)」にて、「山梨の実り完熟フェア」を開催します。

11月4日 18:30~ 山梨フェアオープニングパーティー 開催!
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あなたの知らないおいしい山梨 その① 甲州地どり

その農場では、驚くほど大きな鶏が縦横無尽に柵のなかを駆け巡っていました。
訪問したのは9月上旬。まだ暑く、ひなたは30度以上にもなる快晴の日でした。

鶏も暑いのでしょう。鶏舎に入って外をうかがうもの、日陰に入って一心不乱に地面をつつくもの。
それぞれが思いおもいにふるまっています。
カメラを持って寄っていくと「うわ~! 知らない人が来た~!」とひとかたまりになって逃げていきました。
真っ青な空の下、さんさんと降り注ぐおひさまを浴び、鶏たちは幸せそうに見えました。

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近寄るとあわてて奥に逃げ、一か所に集まる地鶏たち。白い羽のあるものがオス。雄鶏は雌鶏よりもちょっと大きいのです。

山梨県境川町に、加藤政彦さんの農場はあります。
ここで飼っているのは甲州地どり。
甲州地どりは山梨県で改良したシャモと白ロックを交配させ、開発・登録された品種です。

食べることは命を、エネルギーをいただくこと。
食べものは人の命になるものだから、よい環境で育ったものを届けたい。
そんな思いから加藤さんは「できるだけ自然な環境を」と、鶏を放し飼いにしています。

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甲州地どりの生産者、加藤政彦さん。まんが『美味しんぼ』にも登場しました。はにかんだ笑顔が素敵です~。

通常ブロイラーと呼ばれる鶏たちは、60日程度育てられたら出荷されます。
経済性を考えれば当然のことですが、「早く大きく育てること」が何よりも優先されるため、
鶏舎に入れられほとんど運動しないで大きくなります。

安くて柔らかい肉を提供するため、効率優先で育てられる鶏。
その事実を知ると、効率とは何か何のためなのか、少し考えてしまいます。

さて、甲州地どりの飼育期間はこのブロイラーの約2倍。

鶏たちは、広い運動場を駆け回り草や昆虫をついばみ、砂や小石も食べます。
その小石や砂は砂肝に取り入れ、食べたものの消化を助けます。
少し前の日本では、鶏は農家の庭先で虫を食べ草をつつき、自由に振舞っていました。
甲州地どりも、そんな自然に近い状態で健康に育っています。

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草ぼうぼうのこの囲い地ですが、鶏が大きくなるころには草は食べつくされているそうです。切株に乗っかったり、ひたすら地面をつついたりしている鶏たちは、とても元気そうです。。

ではその味はどんなものでしょう。

かみしめるごとにじゅわっとあふれる脂はあくまでも甘く、いっさいのくさみはありません。
そして、その肉には...うっとりするほどの旨みが凝縮しています。
適度にしまったその肉質、歯ごたえは、さすがシャモならでは。
たっぷり運動しているからこそ、余分な脂肪分もなく、単純にうまみを味わえるのです。

世間に地鶏は数多くあれど、本当においしいものに出会うのは意外と難しいもの。

まずはシンプルに塩のみで。
それだけで幸せになれる、それが甲州地どりです。


えがおマルシェからお知らせ

11月4日(水)~15日(日)、東京丸の内の新丸ビル7F 蒸し料理のお店「musmus(ムスムス)」にて、あなたの知らないおいしい山梨フェアを開催します。
今回ご紹介した甲州地どりも登場します! 生産者の加藤さんもいらっしゃいます!

今週から4週間にわたって、山梨フェアでご紹介する食材についてお知らせしていく予定です。

11月4日 18:30~ 山梨フェアオープニングパーティー 開催!
5000円(食べ放題・飲み放題)
ぜひおいしいものを食べにいらしてくださいね!

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森林ノ牛乳その④ 牛乳の殺菌処理のお話

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急な傾斜でもへっちゃら。草があればもくもくと食べ移動し地面をならすジャージー牛

日本の牛乳は、UHT(Ultra High Tenperature)・超高温殺菌法で処理されているものがほとんどです。
これは80~85℃5~6分の予備加熱後、120~130度で2秒間加熱処理する方法。

高温で加熱するため原乳中の有用な菌も殺してしまい、独特の加熱臭(コゲ臭)が感じられます。
牛乳のコクと勘違いされているこの加熱臭ですが、決してコクではありません。
低温殺菌牛乳を飲むと、そのさっぱりした味わいに驚きます。

では低温殺菌牛乳とは、どんな処理方法なのでしょうか。

63~65度で30分加熱するLTLT(Low Temperature Long Time)・低温長時間殺菌法が、森林ノ牛乳の殺菌方法です。
これはワインの殺菌法としてルイ・パスツールが発見したため、パスチャライズとも呼ばれます。

低温殺菌法は、たんぱく質の変質を防ぎカルシウムの可溶性を保てることから、牛乳から栄養を摂取する優れた方法だと考えられています。

以前は日本のほとんどの牛乳メーカーがこの低温殺菌法で殺菌していました。

超高温殺菌法の牛乳と、低温殺菌牛乳、飲み比べてみると、その味わいの違いがはっきりわかります。
牛乳のコクと思っていたのが、実は加熱臭であること。
低温殺菌牛乳には、いやなくさみがないこと。

さて、牛乳の味を変えるのは殺菌方法だけではありません。

以前はビンの流通が主流だった牛乳は、物流コスト削減のため、昭和40年代に次々に紙パック入りに変わりました。
当然ですが紙パック入り牛乳からは紙のニオイがします。

確かに牛乳は、物流の利便性と低価格で販売できるようになったことで、特別な飲みものではなくなりました。
でも、引き換えに、牛乳の本当のおいしさをどこかにおいてきぼりにしてしまったのです。

さて、森林ノ牛乳は、63度30分の低温長時間殺菌法で殺菌した牛乳を、ビンで販売しています。
そして、牛乳の脂肪を均質化しないノンホモジナイズを選択しているため、牛乳の表面にはうっすらとクリームが浮いています。

本来の牛乳に限りなく近い味、それが森林ノ牛乳です。

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森林ノ牛乳で作ったソフトクリームは、まるで牛乳をふんわりと固めて冷たくしたようなやさしい味。一般で販売されているものとはひと味もふた味も違います。みなさんにぜひ食べてもらいたい味

この牛乳を飲んでみてください。
牛乳とは、こんなにあっさりとしていて、あとくちがいいものなのかと驚きます。
飲み終わったあと、ほんのりとした甘さが残り、牛乳くささはみじんも感じられません。

牛乳が嫌いな人は、本当においしい牛乳を飲んでいないのかもしれない...そんなことを考えさせられる牛乳です。
森林ノ牛乳 グリーンラベル...一度飲む価値ありの牛乳です。

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