カテゴリ

ニッポンのお米について考える②

斎藤謙二 会長田んぼ②.jpg

お米って一反(10アール)あたりだいたいどれくらい収穫できるものでしょう。

慣行栽培で10俵(600kg)収穫できれば、「あなたは素晴らしい!」と言われます。
ちなみに慣行栽培とは、地域の防除暦通りに除草剤や殺虫殺菌剤を散布するフツーの栽培のことです。

これが有機栽培や無農薬栽培、除草剤一回のみの栽培となると、目標は8俵(480kg)、よくできて9俵(540kg)、少し悪くて6俵(360kg)...。
やはり少し少なめでしょうか。

そして、無農薬栽培のお米は、除草などの手間がかな~り余計にかかります。

さて、化学肥料が登場する前、小規模で有畜複合農業をしていたころの一反あたりの収量はどれぐらいだったか。

ある農民に聞きましたら、7俵程度は採れていたとのことでした。
田んぼというのは機能的に優れており、収穫し終わったワラ・モミガラ等を田んぼに還元する等の天然供給の肥料分でも、5俵ほどは収穫できるものなのだそうです。

田んぼにあるもので5俵。+アルファがヒトの技術。

家畜糞やワラなどの有機質を還元していた時代で7俵採れていたことを考えると、現在の米づくりが収量の点で大きく進歩しているかというと、決してそうではありません。

では技術の進歩はどこに向かったのでしょう。

それはやはり、機械化・効率化でしょう。飛躍的な進歩がみられます。

昭和40年代米づくりにかかった一反あたりの労働時間は141時間。
(農水省の統計による)
平成18年では28時間。

なんと、約5分の1です! 驚きですね。

人間の手作業だった部分が機械化され、農作業は楽になりました。
しかし作る米の価格は下がり続けています。
面積あたりの収量がいつも一定だとして、単価が下がり続けていく場合、どうしたらいいか。

規模拡大が一番の早道です。

今や稲作農家は、耕作面積が広いほど収入がよくなる構造になってしまいました。
またそれが国の政策でもあったのです。

小規模な稲作が立ち行かなくなり、中山間地の棚田が荒廃して行った理由のひとつは、米づくりの大規模効率化だったのです。


次回に続く

投稿者:えがおスタッフ | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック(0)

トラックバックURL:
http://www.npo-egao.net/cms/trackback/140

コメント(0)