新たなものがたりが始まります
2010年03月30日
レストランで食べるおいしいサラダ。そのお皿の向こうにいるのは...?このトマト、誰が作ったの?
今日食卓にのった食べものと、自分との距離を考えたことがありますか?
そういえばこれ、どこから来たんだろう...そんなことをあまり考えなくなったわたしたち。
何年か前までは野菜もお魚も対面で販売され、
お店のおじさんが、今日のおすすめを教えてくれました。
食べものを選択する際に、コミュニケーションが必要とされていた時代。
「アジが安くて旬だから、ちょっとおまけしてやるよ」
「じゃあ、今日はアジフライにしようか」
そんなふうに毎日のばんごはんが決まっていました。
今では食材の選択にコミュニケーションが介在する余地はありません。
食材は美しくカットされ、さらにぴっちりとパックされて、店頭に並んでいます。
畑の風も、潮の香りも感じない食べもの。
どこで採れたのか、誰が作ったのかも、知るすべはありません。
自分のいのちを作る食べもののことを、何も知らずに食べているわたしたち。
ほんとうにこれでいいのかな、そんな風に思ったことはありませんか。
思ったら、一歩踏み出してみましょう。
畑に行き、土を触ってみましょう。
雨にぬれた土のにおいや、おひさまの下の草いきれや、もぎたてのトマトの香りを、
体験してみましょう。
ひとりひとりが少しずつ歩き出せば、きっと何かが変わります。
新たなものがたりが、これから始まります。
手島奈緒
※手島執筆のえがおマルシェは今回で終了です。ご愛読ありがとうございました。