カテゴリ

新たなものがたりが始まります


画像 058.jpg

レストランで食べるおいしいサラダ。そのお皿の向こうにいるのは...?このトマト、誰が作ったの?

今日食卓にのった食べものと、自分との距離を考えたことがありますか?
そういえばこれ、どこから来たんだろう...そんなことをあまり考えなくなったわたしたち。

何年か前までは野菜もお魚も対面で販売され、
お店のおじさんが、今日のおすすめを教えてくれました。

食べものを選択する際に、コミュニケーションが必要とされていた時代。

「アジが安くて旬だから、ちょっとおまけしてやるよ」
「じゃあ、今日はアジフライにしようか」

そんなふうに毎日のばんごはんが決まっていました。

今では食材の選択にコミュニケーションが介在する余地はありません。
食材は美しくカットされ、さらにぴっちりとパックされて、店頭に並んでいます。

畑の風も、潮の香りも感じない食べもの。
どこで採れたのか、誰が作ったのかも、知るすべはありません。

自分のいのちを作る食べもののことを、何も知らずに食べているわたしたち。
ほんとうにこれでいいのかな、そんな風に思ったことはありませんか。

思ったら、一歩踏み出してみましょう。
畑に行き、土を触ってみましょう。
雨にぬれた土のにおいや、おひさまの下の草いきれや、もぎたてのトマトの香りを、
体験してみましょう。

ひとりひとりが少しずつ歩き出せば、きっと何かが変わります。

新たなものがたりが、これから始まります。

手島奈緒

※手島執筆のえがおマルシェは今回で終了です。ご愛読ありがとうございました。

投稿者:えがおスタッフ | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)

なぜ有機農業なのか②

健全な土、ふかふかの土、ミミズがたくさんいる土...。
なんとなくいいイメージがありますよね。

しかしイメージとはあいまいなもの。
いい土の条件は3つあります。

そして、そのうちのふたつは数値化が可能です。

①物理性→気相・固相・液相 数値化可能
②生物性→土壌中の微生物層 
     数値化は不可能だが土壌由来の病害が出ている場合は整っていない
③化学性→分析による数値化が可能

この3つのうち、どれかひとつのバランスを欠いても、いい土とは言えません。

さて、土壌分析は③の化学性を確認するために行います。

畑の土はそれまでに何を投入してきたかにより肥料を保持できる力が決まっています。

それは塩基置換容量(CEC)という数字で見ることができ、
この数字が大きいほど保持できる力が大きいと考えられます。

CECの小さい土に大量に肥料を入れれば、土が肥料をつかまえておくことができませんから、
肥料は無駄になるばかりか、環境汚染につながります。

「鶏糞堆肥を1トン入れたら大量に虫が発生した」なんて話をよく聞きますが、
それは有機農業だから虫が発生したわけではなく、チッソ分が多すぎたからじゃないかな~と思います。


有機農業とは昔ながらの農業というイメージが強く、
なんとなく原始的な農業と思っている方が多いような気がしますが、
農薬や化学肥料を使用せず、品質のよい野菜を栽培するためには、
上記のように、科学的な数値に裏付けされた最先端の技術が必要なのですね。

有機農業とは、最先端技術を駆使して初めて可能になる農業であるともいえます。

さて、病害虫が発生する原因は、施肥にあります。

作物の体内に過剰なチッソがあると虫や病気の原因になることが知られています。

曇天が続き光合成がじゅうぶんにできないと、窒素過剰になることもありますが、
おおむね施肥の間違いから植物が窒素を吸い過ぎて過剰になっていることの方が多いもの。
また、チッソ分が足りずに正しい生育をしていないものも、虫や病気に必ずやられます。

植物もある意味人間と同じ。
健康に生育しているものは、病気にもならず虫にもたかられず、順調に生育するのですね。

土壌分析診断は、有機農業の基本でもあります。
数値に基づいた施肥を行い、物理性と生物性を整えれば、健全な作物を栽培することが可能なのです。

手島奈緒

投稿者:えがおスタッフ | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)