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ニッポンのお米について考える①

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現在、日本人が一カ月にどれぐらいお米を食べているかご存じですか?

平成21年度の調査はされていないので不明ですが、調べたところ、平成20年度で約5kgという数字が出てきました。

平成20年度は、だいたい毎月4.5kg~5kgの間を推移しています。
一カ月5kgのお米と言えば、一日約170g。一合にも満たないということになります。
一合と言えばちっちゃなお茶碗に軽く3杯。
みんな、他に何を食べてるのかな?

日本人の食生活は、この30年ほどで大きく様変わりしました。

世界各地から輸入される食材をふんだんに使い、世界各地の料理を楽しむことができます。
東京に暮らしていると、フレンチ・イタリアン・中華料理はもう当たり前。
タイ・ベトナム・インドネシア・ロシア・トルコ料理...なんでも食べられます。

ごはんとおかずという日本のごはんの基本は、あってなきがごとく。
中にはおかずは食べるけど、ごはんを抜くという人もいるようです。

現在の日本には、無理してごはんを食べずとも、ものすごく食べものがあるということなのですね。

さて、しかし。
昭和30年代前半まで、食べものはそんなに豊かにはありませんでした。

小さな畑で少量の野菜を作り、中山間地で狭い面積の田んぼを耕していたその時代。
お金を払ってまで化学肥料を買う人はあまりいなくて、肥料と言えば堆肥や家畜糞などの有機質肥料が基本。
日常的に肉がおかずになることなどはまれで、卵だってそれなりの値段がしたのでした。

両親やおじいちゃん、おばあちゃんに「子供のころ、おなかいっぱい白米を食べるのが夢だった」と聞いたことがある人はいませんか。
たった2世代ほど前まで、誰もがおなかいっぱい白米を食べられる時代ではなかったということです。

さて、そんな昭和36年(1961年)、農業基本法が施行されました。

それまでの少数の家畜と小面積の田んぼと畑で農業経営を営む「有畜複合農業」から、「選択的拡大・機械化」に。
この政策(大規模化で効率を上げる農業生産)により、食糧は大幅に増産されました。

ここで化学肥料の使用が奨励され、農業にある種の革命が起きました。
「びっくりするぐらい米が採れてすごいと思った」とその時代を覚えている農民は言います。

米でも野菜でも、収量UPのために必要な肥料は窒素分。
有機質肥料から供給される窒素分に対し、化学肥料の威力はものすごいものでした。

誰でもがおなかいっぱい白いごはんが食べられ、卵や牛乳は日常的な食品になりました。
そして、米が余り始めるまでに、それほどの時間はかからなかったのです。

次回に続く

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あなたの知らないおいしい山梨その④ 山梨ならではの食材いろいろ

「うまいもんだよ、かぼちゃのほうとう」という言葉を聞いたことがありますか。

山梨県に行き、山梨県民にほうとうのことを尋ねると、必ず返ってくる言葉です。

かぼちゃのみならず、じゃがいもやにんじん、ネギといった具だくさんのほうとうは、
一杯食べるとおなかいっぱい。「もう食べられましぇん」と言いたくなる一品。
なぜだかいつまでも熱くて、ふうふうしながら食べてるうちに、体も心もあったまる料理です。

周囲を山に囲まれた山梨は、米を作ることのできる地域が限られたことから、
独特の小麦粉料理・文化が発達しました。

今でこそ日本人は米を食べなくなりましたが、昔はお米が大好きでした。

というより、パンやスパゲッティがなかった時代、主食として最高のものがお米だったということでしょう。

そんな時代に米が食べられなかった人たちに、今の米余りの状況はどのように見えるのでしょう。
お米を大切にしないで、世界中の食べものを飽食し、大量廃棄している私たち。
いつか強烈なしっぺ返しが来るような気がしてなりませんね。

ところで現在健康的なイメージで食べられている雑穀類などは、
昭和生まれの人たちに聞くと「あんなもの二度と食べたくない」ということが多いもの。
貧しい時代の食べもの・米の代用食という思い出が強く、食べる気にならないとよく聞きます。

もちきびやたかきびなどは独特の味わい深さがあり、飽食の時代を生きる私たちにとっては非常に重要な食材のひとつ。
決して米の代用食ではありません。

そういった雑穀類のひとつに、甲州もろこしがあります。

これは生食用ではなく、ひいて粉にして利用するとうもろこし。
今では栽培する人も減り、あまり見かけることはなくなりました。

えがおつなげてでも少しだけ栽培していますが、粉に挽けるほどの量はなく来年の種用に大切に取ってあります。

この甲州もろこしとさつまいも、かぼちゃなどを煮込んでつぶしたものに「おねり」という郷土料理があります。

米が食べられない時代、食べる量を増やすために大量に野菜を入れて増量し、おなかいっぱい食べたという思い出を聞くことが多い料理。
時代が偲ばれます。

いろいろと知らない料理が多い山梨県。
いつか食べてみたいですね。

さて、今回の山梨の実り完熟フェア・オープニングパーティーでは、
ワインやチーズなどのほかに、超メジャーな郷土料理「ほうとう」、
そして甲州もろこしの粉を使ったおまんじゅうなどを準備しています。

えがおつなげての農場でできた野菜類は、
素材の味を楽しんでいただけるよう蒸し野菜に。

またえがおファームが管理している青大豆を使った山梨の和菓子や「清月」さんの青大豆大福も登場します。

食べることで山梨県を知っていただきたい。
そしてその食材の背景を、その文化を知っていただきたい。

今回の山梨の実り完熟フェアは、山梨を知ってもらう第一歩となります。

ぜひ山梨県を、食べて、飲んで、味わってください。

そして、おいしいなと思ったら、いつか山梨県に足を運んでみてくださいね。
もっとおいしいものが見つかること、うけあいです。


えがおマルシェからお知らせ

11月4日(水)~15日(日)、東京丸の内の新丸ビル7F 蒸し料理のお店「musmus(ムスムス)」にて、あなたの知らないおいしい山梨フェアを開催します。

11月4日 18:30~ 山梨フェアオープニングパーティー 開催!
5000円(食べ放題・飲み放題)
ぜひおいしいものを食べにいらしてくださいね!

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あなたの知らないおいしい山梨 その③ お米

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パワースポットでもあるというみずがき山。美しい山です。

山梨県北杜市須玉町の北端に位置する増富地域は、昔から山梨と長野を結ぶ交通の重要地点として栄えていました。
ラジウム温泉で有名な増富温泉は、信玄の隠し湯として知られています。
春には山菜が、秋は紅葉や山の恵みを楽しめる増富は、自然豊かな土地でもあります。

岩肌が美しいみずがき山のふもとに広がる増富地域の標高は約1000m。
雪解け水は豊富にあるけど、お米を作るには寒すぎました。
それでも、その水をため池にして温めて、斜面に棚田を開墾し、長年お米を作ってきました。

日本のあちこち、標高が高く平地が少ない中山間地には、同じような棚田があります。
田毎の月、棚田百選など、昨今この資源を守っていこうとさまざまな活動が行われています。

でもちょっと考えてみてください。

本来棚田は傾斜地を少しでも有効活用しようとした先人の知恵。
少しでも多く米を作ろうとした執念の結晶でもあります。
あの小さな一枚のたんぼ一つひとつに、開墾した農民の思いがこもっているのです。
日本人が米づくりをいかに大切に考えていたか、どれだけ情熱を燃やしていたか。

棚田を見るたび、そんなことを感じてしまいます。

さて、現在の日本では、米づくりは大規模化すればするほど効率がよく、できるだけ手間をかけずに米ができるしくみが作られています。

平たい田んぼで大きな機械を使って一気に作業をすすめれば、面積あたりの売上が多少低くてもなんとかなるもの。
減反や米価格の低迷などを経て、米農家はそうせざるを得なかったと言ってもいいかもしれません。

そんななか、中山間地の小さな面積で小規模の米づくりをすることがいかに大変か。

大規模ならば田植えも稲刈りも一気に機械でできるところ、傾斜地で小さな面積では、すべて手作業になります。
農民が若ければ問題のない作業でも、年をとるととてもやりきれません。
その結果、かつては田毎に美しい月を映し出していた田んぼが、日本全国で耕作放棄地に変わりつつあるのです。

この増富地域の田んぼを復活させよう。
そしてお米を作ろう。
そんな取組が始まりました。

『都市と農山村が、お互いに元気になる社会』をめざし、CSR活動の一環として三菱地所グループとえがおつなげてが取り組んでいる「空と土プロジェクト」。
自然体験や農作業等の交流を通じて、互いの課題を認識し、都市と農山村がともに支えあう持続可能な社会の実現にむけて、さまざまな活動を行っています。

昨年の秋、「空と土プロジェクト」で増富・御門地区の小さな棚田を4枚開墾しました。
直径30cmにもなるススキの根を掘り返し、お田植えをし夏には草を取り、昔の人たちがしたようにこつこつと手作業を繰り返し、この秋お米を収穫しました。

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向こう側の田んぼはまだ草ぼうぼう。昔はこの斜面全部が棚田だったのです。

久しく水が張られたことのなかった、再生された小さな棚田。
急傾斜の条件の悪い土地にあるその4枚には、昔と同じように田毎の月が美しく映っていました。

みんなで作った、一粒ひとつぶが大切なお米。
日本の自然、稲作のこと、田んぼのこと。
いろんなことを考える素材でもあるお米です。

11月4日のオープニングパーティーで、このお米を食べていただこうと思っています。
食べることで、ぜひ私たちの仲間になってください。
そして、まだ耕す人のいない、日本のどこかにたくさんある荒れ果てている棚田に、思いをはせてみてください。


えがおマルシェからお知らせ

11月4日(水)~15日(日)、東京丸の内の新丸ビル7F 蒸し料理のお店「musmus(ムスムス)」にて、「山梨の実り完熟フェア」を開催します。

11月4日 18:30~ 山梨フェアオープニングパーティー 開催!
5000円(食べ放題・飲み放題)
ぜひおいしいものを食べにいらしてくださいね!

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