あなたの知らないおいしい山梨 その② ワイン
2009年10月19日甲州というぶどうをご存じですか?
最近はスーパーであまり見かけなくなったこのぶどうは、日本原産の、しかも山梨県勝沼生まれのぶどうと言われています。
ぶどうと言えば巨峰や種なしデラウェア、最近ではピオーネやロザリオビアンコなどの大粒の甘い品種が主流です。
どこと言って特徴のない地味な姿、上品な甘さはあとを引くけど、巨峰のようにわかりやすい味ではない甲州。
どちらかと言えば「通好み」のぶどうかもしれません。
そのせいか、生食用ぶどうとしては、すっかり影が薄くなってしまいました。
甲州は、江戸時代にはすでに勝沼で栽培されていたと言います。
そもそもぶどうの棚栽培は、甲州の栽培方法がベースにあるそうですから驚きです。
上手に剪定(果樹類の枝を整枝すること)しないと樹が暴れる、実がならないなど、
甲州はまるでじゃじゃ馬娘のようなぶどう。
安定した栽培ができるようになるまでに、ずいぶん時間がかかったようです。
切りすぎると樹が暴れるのは、もともとの樹勢が強く旺盛なため。
雨の多い日本では、棚栽培・長梢剪定という剪定方法で栽培されてきました。
現在では短梢剪定でうまく栽培できないか等の研究もされているようです。
じゃじゃ馬娘をうまく御することができるかどうか、今後の課題でもあります。
さて、このぶどう、昔から醸造用ぶどうとしても親しまれてきました。
「ぶどう酒」という名がぴったりなその味。
山梨県ではよく飲まれていましたが、他地域ではそれほど知られていたわけではありません。
そもそも日本では国産ワインの評価はあまり高くなく、国産ぶどうで仕込んだワインに輸入ワインをミックスし、味を調えて販売しているワイナリーもあるようです。
しかし、しかし。
そんな日本のワインのイメージを払拭したのが、甲州を原料にして作られた「甲州ワイン」でした。
とくに香りもなく甘さもそれほどではない甲州...それがワインになると一転して輝く個性となりました。
さっぱりとした飲み口、そして上品な香り。
控え目ながら自己主張もきちんとする、すっきりとしたワインができあがりました。
まるで、じゃじゃ馬娘が、楚々としたたおやかなお嬢様になったようです。
こってりした肉料理やにおいの強いチーズなどの西洋の料理ではなく、
繊細な味付けが身上の日本のごはんにぴったり合うワイン、それが甲州ワインです。
今ではコンクールで金賞を取るほどのワインに成長し、ますます注目を浴びている甲州ワイン。
今回のフェアでは、地元勝沼のワイナリー4社からそれぞれ自慢のワインを選びました。
ぶどうが栽培される土地によって、また土壌によって、ワインの味が違うのも新鮮な驚きです。
日本のぶどうで醸した日本のワイン、山梨県の郷土料理と合わせて楽しんでください。
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